後嚢切開術の説明
後発白内障と後嚢切開術
白内障手術は水晶体（レンズ）の混濁した中身だけを吸引し、残したカプセルに人工レンズを挿入しています。
このカプセルの後面が時間とともに混濁した状態を後発白内障と呼び、白内障のような視力低下の原因になります。
後嚢切開術はレーザー光線（YAG）を用いて混濁したカプセルだけを切開する手術です。
日帰りで行う簡便な手術で、翌日から視力改善が期待できます。
眼圧上昇の予防のために術前に点眼や散瞳などの時間が必要ですが、手術時間そのものは10分程です。
術後安静などは必要ありません。
安全な手術ですが稀に以下のような合併症があります。
合併症について
眼圧上昇、眼内炎症
YAGレーザーによる衝撃で眼内に炎症が生じて眼圧上昇が認められることがあります。
レーザーの前後に点眼薬を使用することによって予防可能です。
ほとんどが点眼薬の使用によって改善します。
飛蚊症
眼内に混濁したカプセルの破片が飛ばされることや、硝子体とよばれるゼリー状の物資の眼内の動きによって自覚症状が増すことがあります。
網膜剥離
稀な合併症ですが硝子体が動くことにより、網膜剥離が生じる場合や、停止していた網膜剥離が進行することがあります。
人工レンズの傷
手術中に眼を不用意に動かすとレーザーにより人工レンズに小さな傷が入ることがあります。
この傷が原因で人工レンズが割れたり、視力が損なわれたりする可能性はきわめて稀です。